BMWは何の略なのか知っていますか？
「Bayerische Motoren Werke」（バイエリッシュ・モトレーン・ヴェルケ）の頭文字、『BMW』を並べたモノなのです。
意味は「バイエルンのエンジン工場」になります。
知っている方も多いでしょうが、BMWのエンブレムはバイエルンの空と雲、そしてプロペラをモチーフにしています。
クルマよりも、じつは飛行機の製造のほうが先なんです。
そんな「BMW」の雑学ですが、少しだけ読んでもらえるとうれしいです。
BMWの歴史
BMWは1916年にグスタフ・オットーが航空機エンジンメーカーとしてバイエリッシュ・フルークツォイク・ヴェルケ株式会社として設立したことが最初とされています。
その後、1917年には社名をBMWに改称し最初のBMW製航空機エンジンとなる「タイプ3a」を生産しました。
そして、1922年には自動車とオートバイの製造事業を手掛けるようになり、1923年には最初のオートバイとなる「R32」が登場しました。
1929年にオースチン・セブンのライセンス生産にてBMW初の四輪車となるDixiの生産を開始しました。
その後、BMWは第二次世界大戦に突入すると軍需企業として成長することになりますが、ドイツの敗戦によって3年間の操業規制や東西ドイツの分断により危機的な状況を迎えました。
操業規制が敷かれていた間はオートバイや自動車の生産が行えず自転車や農機具の生産を行うことで危機を乗り越えることにより、1948年になると操業規制も緩和され1951年には自動車の生産も行えるようになりました。
戦後に自動車の販売を再開したBMWは1962年に現在の源流となる小型自動車の「BMW 1500」を発売し、ヒットモデルとなったことでBMWは経営危機を乗り越えて高級自動車メーカーとして成長することになり、英国のロールスロイスとMINIの2社を傘下のカー・ブランドして所有するに至りました。
BMWのエンブレムとグリル
BMWのエンブレムは1917年10月5日に商標登録された最初のエンブレムに由来しており、ロゴのデザインは黒く縁取った円に白抜きで「BMW」の文字を配し、中央の円部分の中を十字によって４等分し、点対称に青と白に塗り分けたデザインとなっており、過去に書体と色、位置が何度か変更されていますが、基本的な部分は変わっていません。
BMWのエンブレムの円と十字は、かつて航空機エンジンメーカーであったことに因み、航空機のプロペラを表現しており、白と青は創業の地であるバイエルンの白い雲と青い空をイメージしているとされています。
また、BMWのデザインの大きな特徴に「丸型4灯式ヘッドライト」と「キドニーグリル」という独特の形状をしたグリルがあります。
キドニーとは腎臓という意味で1933年に登場したBMW初のオリジナル車である「BMW 303」から採用され、ライセンス生産車の「イセッタ」、及び派生車種の「BMW 600」等を除いたほぼ全ての車種に採用されています。
その為、BMW車のフロントマスクには車種の世代を問わずに統一感があり、一見して分かるデザインはブランドイメージを向上させるのに大いに役立っていると言えるでしょう。
BMWの自動車の特徴
BMWはフル４シーターの4ドアセダンを主軸に据えたラインナップとなっており、車種を問わずスポーティーなクルマ作りを心掛けているのが大きな特徴となっています。
その為、ドライブフィールを大切にしており駆動方式に関してもフロントエンジン・リアドライブ方式に拘っており、最近のクルマでは主流となっているフロントエンジン・フロントドライブ方式は2014年に登場した「2シリーズ・アクティブツアラー」まで採用されることはありませんでした。
またBMWは直列６気筒エンジンに対する拘りが非常に強く、ライバル企業がスペース面や重量面で有利となるV型６気筒エンジンへと転換を進める中、直列6気筒エンジンが持つ振動特性やフィーリングの良さを重視して、スペース面や重量面での不利を承知の上で採用を続けています。
BMWはかつては車の性能向上を重視していたこともあり、最新のシステムや新機軸の機構を好む傾向があり、性能面では優れているものの部品の信頼性に不安があって部品交換を行うタイミングも短く高額になる傾向にありました。
その為、タクシーといった業務目的で使用するのは敬遠されていましたが、近年では世界中から信頼性の高いパーツを積極的に使用するなど、性能面だけでなく品質面でも大きく改善させています。
まとめ
・BMWとは「Bayerische Motoren Werke」（バイエリッシュ・モトレーン・ヴェルケ）の略
・じつは飛行機の製造のほうが先
・エンブレムの円と十字は、航空機のプロペラを表現
・BMWのデザインの大きな特徴「キドニーグリル」