これは僕が小学生のときの話。

ある日、宿題(プリントの束だったはず)を取りに学校に忘れてしまって、友達と途中で別れて戻って取りにいきました。

その時僕は3年生だったので教室は三階にあり、もう日も落ちて暗くなりかけていたので怖かったこともあり、急いで上がっていきました。

ひっそりとした教室に着き、いつもと違う雰囲気に少し特別な気持ちを覚えつつ、自分の机にたどり着いてプリントに触れたとき、見つけた安心感と早く帰りたいという気持ちと同時に何か違和感を感じました。

はっきりと何がおかしいとまではわからず、自分が怖がっているためだと判断しすぐに立ち去ろうとしました。

その時です、近くで何かが聞こえてきました。

それは文字にすると「んぐ、んくふふふっ、ん、ふぅ」という明らかに人から発せられた声のような物でした。

笑い声と言えばいいのか、はたまた泣き声といえばいいのか、得たいの知れない声に僕はただただビックリして走って教室を出てこうとしたら、ガタン!!と教卓が揺れるのがわかりました。

それにより恐怖心は更に加速して、僕はもう全速力で学校を出て家に帰りひとまず安心し、いつも通りの夕方に戻りました。

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自分の好きなアニメをみて、ゲームをして夕飯を食べ、母親に宿題ないの?と言われ、宿題と先程の教室での出来事をおもいだし、嫌な気持ちのまま私は宿題に取り組むことにしました。

これを早く終わらせて、ゲームを早くやりたいと心から思っていたことを覚えています。

机の上にプリントの束を置こうとしてランドセルから取り出したとき、名前を書く空白にすでに何か漢字が書かれていることに気づきました。

今となればそこに書かれている漢字はすぐに読めるのですが、当時はまだ習っていない漢字だということもあり、なんだこれくらいにしか思いませんでしたが、クラスメイトの誰かにやられたのかと思うと腹だたしく、何と書かれているのか知りたくなりました。

母親のもとまでそのプリントを持っていき、訪ねると「これは、のうって読むの、皆の頭の中にあるのよ」と教えてくれました。

「それにしてもなんでそんなことここに書かれたのかしらね。」と母親が言いましたがそれは僕にもわかりませんでした。

しかも、そのとき脳という言葉を冷静に聞いてみると他のクラスメイトがそんな漢字を書けるわけがないのにと、少し不思議に思いましたが早く宿題を済ませて遊びたい気持ちからそんなことすぐにどうでもよくなり、自室に戻りました。

そしてあと少しで終わりそうになり、プリントの裏面を見たとき、また「脳」を見つけました。

しかしかなり小さく、しかも名前の空白のものとは違い「脳脳脳」と並べて書かれており、少し気持ち悪かったので消ゴムで擦ってみたところすぐに消えたので残りの問題を解き、宿題を済ませました。

そして次の日、いつも通り登校しいつも通りの授業を受け、先生がいつも通りプリントを配ろうとしたときです。

先生がいきなり「うわ!」と驚いた声をあげ、クラスの皆もビックリし、どうしたのかと先生に聞きました。

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すると先生は青ざめた顔をして、なんでもないというだけで教えてくれませんでした。

その授業中に何度聞いても教えてくれなかったので次第に皆もどうでもよくなったみたいで、帰る頃には忘れかけていました。

すると友人が帰り道でふと思い出してそのことを話始めたので、僕は昨日の「脳」について関係ないかもしれないけど教えてあげると、「昨日忘れ物をとりに帰ったときには何もなかったのか」と訊かれたので、それまで忘れていた教卓のことも話しました。

そしたらいきなり友人が興味津々と言った顔で「教室にこっそり入って、先生がなんで驚いたのか、昨日の教卓がなんだったのか調べに行こうよ!」と言い始め、最初は怖かったので適当に嫌だと返していたのですが次第に僕も気になり始め、友人と教室に忍び込むことになりました。

そして昨日と同じく少し日がくれて暗くなりかけている教室に入り、少し怖がりながら教卓の方に近付いていくと、また「んく、んふふ、くくふふっ」と謎の声が聞こえてきて、友人はかなりびびっていました。

しかしこどもの好奇心はその恐怖心によって更に促進され、まずは教卓の中を調べようと話し合い、友人が意気揚々と覗きこんだとき、「うわあああ!」と叫んでへたりこんでしまいました。

その声と驚き具合に私もかなりびびりながらその教卓を覗くと、少しの隙間も許さんとばかりに「脳脳脳脳脳脳脳脳」とかかれており、灰色の教卓の内側は殆ど黒くなっていました。

脳というのが実際どういうものなのかわかっていませんでしたが、その異様な光景に私も友人もかなりびびっていて、逃げようとしたところ、掃除道具を入れるロッカーからガタガタガタ、「んく、んふふ」と聞こえて来ました。

僕と友人はもう恐怖でいっぱいでそれが何かを調べる余裕もなく、ただただ一心不乱に走って逃げて行こうとしたところ、担任の先生が現れ何事かと訊いてきたので教卓と「脳」について話すと先生が掃除道具のロッカーまで向かい、思いきって開けてしまいました。

するとそこから少し太ったおばさんが出て来て、「いやぁああああ!あは、あは、のう、いやぁあああああ」と叫んで走って逃げてしまいました。

そのあと先生が追いかけて捕まえたらしいのですが、僕と友人は恐怖のあまりそこに立ち尽くすしかなく、少しあとに他の先生に連れられ職員室のようなところで話を訊かれ、その日は帰りました。

次の日になっても不審者が現れたと校内アナウンスがあったのみで、あのおばさんがなんだったのか、わからず終わってしまいました。

その後噂で聞いたのですが、近所で飛び降り自殺をした大学生が居たらしく、その近くに立っていた女の人がその大学生の飛び散った脳がかかってしまったということがあったらしいです。

もしかするとあのおばさんはその女の人だったのかもしれないと思うと少し可哀想に思うのと同時に、人間の怖さを思い知りました。

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