赤い服の少女

赤い服の少女

それは、3月に女子大学生だけで、卒業旅行に行った時のことです。

私の他に後5人に声をかけたのですが、2人は用事があっていけないということで数人だけで行くことになったのです。

私たちは大学生なので、そんなにお金も使えないことから、旅行先は山奥にある民宿に泊まることにしました。

その日はあいにくの雨が降っていて、私は出発する時から何かを感じていました。

ある駅で女子大学生4人と待ち合わせをして、電車で旅行に出発をしました。

女の子だけなので、楽しくおしゃべりをしながら、旅を楽しんでいました。

宿泊場所にチェックインするまでには、時間があったことから、途中にガラス細工などしている所に立ち寄ったりして、時間をつぶしていました。

ガラス細工などのお土産を購入して外にでて、時計を見るといい時間になっていたので、女子大学生4人でタクシーに乗って、運転手に民宿の住所を言って、そこまで行ってもらいました。

タクシーを降りて歩いて行くと、大変おしゃれな感じの民宿が見えて来て、1人が「いい感じの民宿じゃない?この外観でこの金額はとてもお得感があるよね。」と言ったのです。

私が先頭で歩いて、民宿の中に入って「ごめんください!」と声をかけると、一人のお年寄りの方がいらっしゃったので、「予約をした佐藤です。」と言いました。

すると、お年寄りの方は「お待ちしておりました」と申して、部屋まで案内してくれました。

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私は、そのお年寄りの方に「この民宿綺麗ですよね!お婆さん一人でやってらっしゃるのですか?」

と聞いた所、「私一人でがんばってます。ですので、申し付けられてもすぐには対応出来ないこともあるので、ご了承ください。」

と言われたので、私たちも「はい、わかりました。」とこたえました。お婆さんは「近くにあるトイレは、故障をしているので絶対に入らないでください。母屋のトイレをお使いくださいね」

とやさしく教えてくれました。

お風呂場も何時から何時と決まっているらしいので、私たちはきちんと守る事にしました。

お婆さんは部屋やお風呂場、トイレの場所の案内を済ませると、「ごゆっくりとお過ごしください」と言って部屋を後にしたのです。

エイコさんは、トイレに行ってくると言って部屋を出たのですが、『そういえば、近くにあるトイレは故障しているんだっけ』と思い出したのですが、本当に故障しているのか気になってしまいそのトイレに行くことにしました。

エイコさんは一人では怖かったらしく、私も一緒に故障していると言われているトイレを見に行きました。

すると、見た目は大変綺麗でしたが、長く使っていない感じがしました。

アイコさんは我慢出来なかったのか、そこのトイレの個室に入って用を足してしまったのです。

アイコさんが個室から出てきた時には、顔が青ざめたような顔をしていたので私は、アイコさんに「どうしたの?大丈夫?」と聞いたのですが、何も返事がないです。

私は必至に「大丈夫?大丈夫?」「ねっ!どうしたのよ」と声をかけたのですが、金縛りにあったかのように体がかちかちになっていたのです。私も興味津々でアイコさんが入っていたトイレを覗いてみると、霊感が強い私は見てしまったのです。

赤いワンピースを着た女の子です。

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私も怖くなり、部屋に戻って「みんな、この民宿なんかおかしいよ。宿泊所を変えない?」と言ったのですが、他の2人は、「いまさら泊まれる所ある?いい所じゃない!いいよこの民宿で」と言ってまったく変えるきがなかったのです。

私とエイコさんが体験したことを一部始終話したのですが、「ほんとに~?」と言いながらまったく伝わらなく、笑い話で済まされてしまったのです。

私とアイコさんが見たものは、実際に見たものなので他の方たちに伝わらないことがとても悔しかったです。

そんなこんなで話をしていると、夜も11時を回っていたので、4人で布団に入って寝ることにしました。

すると、時間としては、2時頃だったでしょうか?隣で寝ているエイコさんがうなされていることに気づき、私は声をかけたかったですが、金縛りにあってしまったので声がでませんでした。

横目で見るとエイコさんの上に、トイレで見た女の子が跨ってアイコさんの首を絞めていたのです。

私は心の中で、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」と唱え続けると、その女の子は消えていなくなりまし。

朝、エイコさんに聞くと、「私は大丈夫だったけど・・・なんで?」と聞いてきました。

エイコさんは、「あなたの方が心配だったのよ」と言ってきたのです。

そうです、私が見たものは私自信で、私が首を絞められていたのです。

私は慌てて鏡を見て自分の首の所を見てみると、絞められたあとがくっきりと残っていました。

エイコさんに言うとそういったこともあるらしいと聞き、私はぞっとしたのです。

帰り際に、お婆さんに何があったのか聞いてみました。

お婆さんは、「昔、母と娘で泊まりに来た時に、母親が子供を殺したのです。その現場が、あなたたちが泊まっていた部屋で、いつも母親が帰ってくるのを待っているらしいのです。母親に復讐するために・・・」

「子供はトイレに入っていれば、いつかは来るだろうと思って、トイレの中でずっと待っているのですよ!なので、霊感の強いあなた方に気づいてもらいたく、あなたたちの前に現れたのではないかしら。」

4人のうち怖い体験をしたのは、私とエイコさんの二人だけでしたが、他の二人もお婆さんからの話を聞いて震えが止まらなかったようです。

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