この前、娘がお友達からサンゴのお土産をもらってきました。
そもそも、サンゴとは一体何なんでしょうか?
植物なのか、動物なのか?
そんな「サンゴ」の雑学ですが、少しだけ読んでもらえるとうれしいです。
サンゴとは?
珊瑚は動かないので、植物だと思っている人も多いでしょう。
しかし実は動物なのです。
珊瑚は、見た目に似合わずクラゲやイソギンチャクが持っている毒針付きの触手を持っております。
むやみに珊瑚に触れることは、外観を損なうことだけでなく、自身の危険にも及びますので触れないようにしましょう。
そして、珊瑚にはたくさんの種類が存在しております。
世界には約800種類も存在していると言われています。その種類を大きく分けると、サンゴ礁を作る造礁サンゴというものと、単体で生息する非造礁サンゴの2つに分けられます。
造礁サンゴは浅瀬でサンゴ礁を作るもので成長が早く、見た目がとても綺麗です。
一方の非造礁サンゴは深海でゆっくりと育ちます。宝石珊瑚に使われるのは後者のほうです。
宝石珊瑚は、触手が8本ある八方珊瑚や触手が6本ある六方珊瑚などがあります。
宝石珊瑚の主な生息地は地中海、日本、台湾ハワイ近海等です。日本では紅色が特徴的な紅珊瑚や桃色珊瑚が収穫されております。
紅珊瑚は人気で大量に輸出されたため現在では最高級品としてレアに扱われております。
桃色珊瑚は、桃色からオレンジ、赤に近い色までたくさんの色彩を持っており、可愛らしい宝石珊瑚です。
サンゴはどうやって暮らしているの?
造礁サンゴは動物であるにも関わらず、珊瑚に共生している褐虫藻という藻類の働きのため、植物のする光合成のように二酸化炭素を吸収し酸素を作り出す働きがあります。
昼は光合成を行い、夜は、毒針のある触手でプランクトンを食べています。
褐虫藻という植物プランクトンと共生しているのにプランクトンを捕食するなんて怖い生き物ですね。
一方の非造礁サンゴは、深海に住むため、褐虫藻は生息できません。
そのため毒針付き触手で常に捕食していますのでより動物的な顔があります。
そして光合成をしないでも生活できるため、藻に頼らないで生きることができます。
珊瑚には大きく分けて2つの増え方があります。一つ目は産卵によって子孫を残していきます。
受精してプラヌラ幼生という子どもになってからは、4日間ほど水中をプラプラしています。
そして自分のお気に入りの場所を見つけるとそこに定着し育って行きます。もう一つは分裂によってです。
この場合、珊瑚の周りを少しずつ拡大していく形になります。
もとの珊瑚が死んでしまっても、分裂した子分たちは生きていくので、永久的に増え続ける生き物ということになります。
貴重な珊瑚を絶滅させないために、この細胞分裂を利用し、サンゴ礁を守る団体もあるそうです。
サンゴの敵や味方
珊瑚の敵は大きく分けて2つあります。
1つ目は珊瑚を食べる魚たちです。
オニヒトデ、ヤリカタギ、ブダイなどです。特に近年、オニヒトデが大量発生しております。
原因ははっきりとわからないのですが、地元のダイバーたちによる駆除が必死に行われております。
2つ目は人間です。
人間が地球温暖化をひきおこしていると言われています。
その影響で水温が高まり褐虫藻がいなくなってしまうので、珊瑚が死んでしまい、白化します。
珊瑚が死んでしまうと生態系が崩れてしまうので、魚たちが生息できなくなってきます。
また、森林の伐採などによる土砂崩れで、珊瑚が呼吸できなくなり、死んでしまうということもあります。
そして水が濁ることで、光合成ができずに死んでしまいます。
人間たちの利益のために珊瑚を傷つけてしまうと、あとで人間も痛い目を見ると思います。
珊瑚には敵だけではなく味方もいます。
アカホシサンガニです。
このカニは珊瑚の枝の中に生息しており自分の身を守ってもらうためですね。
しかし珊瑚を食べるオニヒトデがやってくると自慢のハサミで追い払ってくれます。
珊瑚とカニの共生の形です。
まとめ
なんと、珊瑚は動物だったんですね。
珊瑚を死に追いやってしまっている人間ですが、珊瑚を救うことができるのもまた人間です。
動物の生態系を破壊しないで共存していく努力を人間は常にしなければならないですね。