娘がマンションの廊下にある消火器を見て、
「消火器は何で赤いの?」
と聞いてきたのですが、すぐに答えられませんね。
そんな「消火器」の雑学ですが、少しだけ読んでもらえるとうれしいです。
消火器はなぜ赤いの?
消火器は、初期消火のために家庭に1本は用意しておきたいアイテムです。
ホームセンターで販売されているのを見たり、集合住宅の玄関などで消火器を目にされると、赤い色をしているのを当たり前の様に見た事があると思います。
しかし考えて見れば、色は何色でも良いはずですが、赤色が一般的です。これには何か理由があるのでしょうか?
これには実は法令上の意味があるのです。元々「消火器の技術上の規格を定める省令」の第37条に、「消火器の外面は、その25%以上を赤色仕上げとしなければならない」と定められていました。
そのために、ほぼ全面赤色にして、この省令に準拠するようにしたのです。
しかし近年に、家庭用消火器については赤色でなくても良いとの規定が追加されましたが、消火器は赤色がすでに定着しており、そのまま赤色となっているのです。
しかし一方で、事業場関係で赤色ではなく緑色やネズミ色の消火器を見た事のある方も居られるでしょう。
これらの消火器は二酸化炭素消火器やハロゲン化物消火器で、家庭用とは異なる種類です。
これらは、内容物が高圧ガス取締法の対象となるため、指定のこうした色となっているのです。
いずれも、消火器の色は法律と関係しているものなのです。
消火器の使い方は?
万が一のためにと、家庭用の消火器を購入されても、その使い方を知らなければ、いざという時に役に立ちません。
しかし実際に購入した消火器を使って、その使い方を習得する事はできません。
実際に消火器を操作して、使い方を体得しておくのがベストで、町内会や職場の避難訓練や初期消火の訓練がある際には、積極的に申し出て経験して置く事がお勧めです。
ここでは、一般的な家庭用の使用方法を記載しておきますが、購入時には取扱い説明書をよく読んで、現物を見ながら作業手順を頭に入れておいて下さい。
手順はいたって簡単です。最初に消火器のハンドルの所に突き出ているプラスチックのワッカを引き抜きます。
これは倒れても自然に噴射される事がないようにするための安全栓で、最初にこれを抜かなければ噴射する事はできません。
安全栓を抜いた後には、火元の3~5mに近づきます。この距離が自分が安全で、かつ噴射した時に消火剤が届く距離の目安です。
その後、ホースを本体から外し、ノズルを火元に向けます。そしてレバーを強く握れば、消火剤が噴射されます。炎や煙に惑わされずに、燃えているものに冷静に噴射する事が重要です。
以上の様に手順はいたって簡単なのですが、炎があがれば尋常な精神ではなくなるので、簡単な事も出来なくなる危険性があります。そのために、先に記載した様に機会があれば体験して置く事が大切なのです。
消火器に寿命はあるの?
消火器に関しては注意点があります。その1つは、消火剤には寿命がある点です。家庭用の消火器は、ほとんどが粉末消火器で、この薬剤の有効期間は5年となっています。
また本体容器の耐用年数は8年が一般的で、製造日から8年経過していれば、新しいものと交換する必要があります。
もう1つの注意点は、新しい消火器と交換した場合の古い消火器の廃棄処分に関してです。
多くの自治体のゴミ回収・分別ルールを見ると、消火器は回収できないとしているのが一般的です。
外部の容器が金属製だからと言って、燃えないゴミとして廃棄する事は出来ないのです。
消火器の内容物状態が高圧で封入されており、一般の燃えないゴミとして廃棄する事が出来ないのです。
それなら自分で分解して、廃棄処分しようと考えるのは、さらに危険です。そうした事は命の危険に繋がる事故となりかねないので、絶対にしてはいけません。
廃棄処分する場合には、購入したホームセンター等に相談するか、最寄りの消防署に相談すれば適切な処分を行う業者さんを紹介してもらえるので、必ずそのルートで処分する事が重要です。
まとめ
消火器の色は法律と関係していて「消火器の外面は、その25%以上を赤色仕上げとしなければならない」と定められているのですね。
消火器には寿命があり、また廃棄処分も一般の燃えないゴミとして廃棄できないなどの煩わしさもありますが、大切な住宅や家財を火災から守る初期消火アイテムとして、一家に1台は備えておきたいものです。