毎年春になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの花粉症の症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
花粉症の治療には、抗アレルギー薬の服用や、点鼻薬や点眼薬などの外用薬を使うのが一般的ですが、食事による対策も有効です。
近年、花粉症対策にバナナが効果的であるという研究結果が注目されています。
そこで今回は、バナナが花粉症にどのような効果をもたらすのか、そのメカニズムと摂取方法について解説します。
バナナには花粉症を抑制する成分が含まれている
バナナに含まれるロイシンというアミノ酸には、花粉症の原因物質であるアレルギー物質の働きを抑制する効果があることが、研究によって明らかになっています。
ロイシンは、体内で他のアミノ酸に変換されて、免疫細胞の働きを調節する働きがあります。
ロイシンが豊富な食品を摂取することで、免疫細胞のバランスが整い、花粉症の症状が改善すると考えられています。
また、バナナにはビタミンCも豊富に含まれています。
ビタミンCは、抗酸化作用によって体内の炎症を抑制する働きがあります。
花粉症の症状は、アレルギー反応による炎症によって引き起こされるため、ビタミンCを摂取することで、症状の緩和が期待できます。
バナナを摂取することで花粉症の症状が改善したという報告
バナナが花粉症に効果的であるという研究結果は、日本だけでなく、海外でも報告されています。
2013年に筑波大学医学医療系の研究グループが発表した研究では、スギ花粉症の患者を対象に、8週間にわたって毎日2本のバナナを摂取してもらったところ、くしゃみや鼻水などの症状が有意に改善したことが明らかになっています。
また、2016年にアメリカの研究グループが発表した研究では、花粉症の患者を対象に、12週間にわたって毎日2本のバナナを摂取してもらったところ、花粉症の症状スコアが有意に低下したことが報告されています。
これらの研究結果から、バナナを摂取することで、花粉症の症状が改善する可能性が示唆されています。
バナナを摂取する際の注意点
バナナは、花粉症の症状を改善する効果が期待できる食品ですが、注意点もあります。
バナナには、ラテックスアレルギーの人には注意が必要な成分が含まれています。
ラテックスアレルギーの人の場合、バナナを食べると、口の中や喉、舌に違和感やかゆみなどの症状が出ることがあります。
また、バナナは糖質が多く含まれているため、糖尿病などの持病がある人は、摂取量に注意が必要です。
バナナを花粉症対策に活用する方法
バナナを花粉症対策に活用するには、以下の方法がおすすめです。
毎日2本を目安に、継続的に摂取する
生のまま、ヨーグルトやスムージーなどに入れて食べる
加熱しても、栄養価は変わらないため、焼いたり、炒めたりしてもよい
バナナは手軽に手に入る食べ物なので、花粉症の予防や症状の改善に、ぜひ活用してみてください。
まとめ
バナナに含まれるロイシンやビタミンCには、花粉症の症状を抑制する効果があることが研究によって明らかになっています。
また、バナナを摂取することで、花粉症の症状が改善したという報告もされています。
バナナは、花粉症の症状を改善する効果が期待できる食品です。
毎日2本を目安に、継続的に摂取することで、花粉症の症状の緩和に役立つかもしれません。